大学教師の日本語学習に対する意識 - 韓国の教養日本語科目におけるグループワークに焦点をおいて -

Abstract

本稿では韓国の大学の教養日本語科目に焦点を当て、①韓国人教師と日 本人教師、②グループワークの実施経験がある教師とない教師の二つの観点から日本語学習、及びグループワークに対する意識調査を行った。 調査の結果、韓国人･日本人教師は共に学習者が授業に主体的に参加することを望み、グループワークに肯定的な意識を持っていた。だが、グループワークを成績にいかに反映するかの点に難しさも感じていた。一方、グループワークの実施経験がある教師とない教師の意識には明確な違いが見られた。経験のある教師は教科書中心の授業を好まず、グループワークにおけるシナジー効果を認めていた。しかし、経験のない教師は文法学習を重視する傾向があり、グループワークに適さない学習者の存在を認めグループワークを成績に反映することに消極的だった。このように、教師の学習観･学習者観とグループワークの実施の間には少なからぬ相関関係が確認できた。