『菊と刀』における長谷川松治の註?態度

Abstract

管見ながら、『菊と刀』における長谷川松治の註?態度に注目し、それと長谷川の日本語?の意?とを?連づけて論じたものは本稿が最初である。ここで明らかにしたことをまとめると次のようになる。長谷川がベネディクトの『The Chrysanthemum and the Sword』を日本語に?した意?は、この書物を敗?後における日本の反省や復興の材料として活用してもらいたかったからだ。その??意?を達成するために、彼は以下のような註?態度を示していた。まず、彼は??的及び文??的な註?態度を示しつつ、ベネディクトが犯した過ちを度?指摘した。長谷川がベネディクトのミスを明らかにしたのは、『The Chrysanthemum and the Sword』の?値を下げるためではなかった。ベネディクトのミスを含め、『The Chrysanthemum and the Sword』を日本の?者に客觀的に紹介したかったからである。その結果、自ずから『菊と刀』の註?には出典明示の類型、譯者批評の類型、出典明示＋譯者批評の類型に?する註?が大半を占めているようになった。次に、長谷川は主?的及び中立的な註?態度で原著を客?的に??しようと努めていた。