다케노 조오(武野紹鴎)의 「와비문(侘びの文)」 고찰

Abstract

今までの茶道研究では、千利休に注目して、「侘び茶」は名物がない無一物の精神的なイメージとして解釈されてきたが、本稿は「侘びの文」を通して、師紹鴎の侘数寄に対して考察した。紹鴎は当時上流階層が楽しんだ和歌⋅連歌の美意識を茶道に借用し、日本茶道の価値を設定した重要な人物である。「侘びの文」は利休へ宛てる教訓として、侘びの定義⋅茶事の根源⋅侘びの構造や茶の湯の未来に対する懸念まで書かれていた。「侘び」の定義では正直と慎みを強調し、茶事には隠遁と閑居、ありのままもてなす自然さを言っている。そして、侘びの根本を日本信仰の神道から探そうとする日本的な意識を持っている。和歌の教本である『詠歌大槪』の序文では、歌は古い形の中で、新しい作為を持って作るように教えているが、紹鴎はこの序文を自分なりに解釈し、茶道具に対する態度として、珍しい道具を求めず新しい道具も求めないように教えている。紹鴎の「侘び」は、唐物所持の書院茶を味あわないと、対極にある草庵茶を設定できないので、もしかして贅沢で豊かな世界かもしれない。俗世から離れた隠遁が必要し、歌道や仏道に共通する心の姿勢が茶にも通じる。珠光が自慢は悪いですが、向上心は重要だと言っているのに比べて、紹鴎は世の中との距離を保ち、身分を控えて、珍しい物や新しい物も求めず有りのままに満足しないといけないという知足を言っている。彼の茶風を例え、吉野山の満開した春を過ぎて夏も越えた後、秋の夜空の月、その月光に映っている紅葉と似ているという。この表現は彼が死んだ時期と通じる。また紹鴎が目指した茶の湯の境地とは「枯れかしけ寒かれ」であったとされる。これは木が冬に向かってすべての葉っぱが落ち、枯れた物理的な状態を表す。即ち、悟りの境地、欲を捨てた姿を意味する。両方とも華麗な経験を経て、慎んでいる姿だと思われる。紹鴎の茶は唐物を大事にしながらも、名物を自慢して飾るのではなく、一品だけを飾る一品名品主義ではないかと思う。不幸に息子と婿の間の資産紛争のせいで、紹鴎は唯侘び茶の展開者として決められているのがもどかしい。彼はお茶に珠光の調和の精神を受け入れながらも、日本的な和物の強調や自己省察を探そうとした。